セ・パ両リーグ共に3位のチームが勝ちあがってのCS final、三戦目までを終えまして……盛り上がってきましたねえ。
わたしはファイターズファンですが、常日頃から申し上げておりますようにパ・リーグが大好きなもので、CSは1stステージからしっかり観ています。
というわけで、ちょっとパ・リーグCS final、この先の展開を予想してみようかななんて思いまして。ホークスファンのみなさま、イーグルスファンのみなさま、怒らないでくださいね。
まずはここまでの流れなんですが、始まる前は正直、圧倒的な力を見せつけてホークスが勝つんじゃないかなと思っていました。
今年、好きな漫画のコラボでコボパークに行った時の相手がホークスだったのですが、その時の負け方が良くなかった、他にも、ちょうど試合を観ていた時の直接対決のイメージもあるかもしれません。また、後半に失速したイーグルスがいまいち流れに乗り切れていないように見えたから、というのもあります。
CS1st、ライオンズ対イーグルスにおいての勝因なんですが……。
両者の差なんて殆どなかったと思うんです。某所のコメントなんかを見ていると、「西武はまともな先発投手が菊池投手だけだった」なんて声が散見されましたけど、ライオンズには、それを補って余りある打線の破壊力があるじゃないですか。岸投手、美馬投手が好投したこと、もしかしたら西武打線が重圧を感じていたかもしれないこと、それだってわずかな差で……。
もう一つ要因があるとすれば、采配が時の運に乗ったか否か、なんですかね。
今回のCSは、各監督の采配の違いが顕著に出ていて、そこも面白いなあと思います。辻監督と梨田監督の采配は、狐狸変化というかキツネとタヌキの化かし合いみたいな印象があって楽しかったです。勝利したイーグルス、梨田監督は嶋選手のスクイズのシーンなんかは、まったく予想も出来ませんでしたし。(野村克也さんも頭になかったって仰ってましたね。笑)継投策もお見事でした。
そしてその采配の性格の違いというのは、工藤監督と梨田監督においてより顕著な気がします。ちなみに、工藤監督は「熱血ホークス応援団長」、梨田監督は「手練手管時々直感」というのが、わたしの勝手なイメージです。第一戦、第二戦は特に工藤監督が「代打のカードを切らされた」シーンが目につきました。そんな采配もあり、嶋選手のリードも冴えわたり、辛島投手、塩見投手の両サウスポーは低めの制球が素晴らしく丁寧で、好投。何より、もしかしてもう冬眠に入られてしまったのでしょうかと言いたくなるようなホークス打線の沈黙もあって、楽天が二連勝、というのが一昨日までのお話で。
イーグルス凄い!と、思う反面、このまま黙って敗けてしまうなんてホークスらしくないよ!つまんないよ!しっかりして!と、思うわたしも居ました。(わがまま・・・。)
何年か前に、ファイターズで……陽選手のことを、誰かが「打線の目覚まし役」のように形容していた記憶があるんですが……誰でしたかね。監督じゃなかった気がするんですが。
今回、両チームの打線についてはその「目覚まし」について、考えることがあります。
イーグルスの目覚ましは茂木選手。
長く不調が続いた茂木選手ですが、レギュラーシーズン終盤、ファイターズと当たった時にはしっかりヒットも出ていて、ライオンズとの試合、2戦目の先頭打者アーチは完全に目覚まし時計でした。ちょっと空回り気味だったウィーラー選手や、休養たっぷりのアマダー選手も釣られるように調子を上げてきていますものね。島内選手、銀次選手も状態が上がってきているように見えます。
ホークスはやっぱり、松田選手なのかな、と思います。
今宮選手、内川選手が好調ですが、いまいち打線全体が波に乗っていけないのは松田選手に元気がないからかなあ、とも。でもご自身が不調でもベンチで声を出し続ける姿はさすがですが。
第三戦、ホークスは打順の組み替えが奏功しましたね。それも、一・二戦は梨田監督に惑わされたように見えた工藤監督ご自身が開き直ってチームを鼓舞されている姿が、良いように働いたのかな、と。
イーグルスにとってのCSを勝ち切る最善の目は、「起こすべき人を起こさず、ホークス打線が目覚める前に星を取る」ことでしょう。
昨日の試合の第一打席で松田選手にタイムリーが出た時、「あーあ、起こしちゃった……」とは思いましたね。ライオンズとの試合で悔しい想いをされた則本投手ですが、例えば点数を取られるにしても、松田選手だけは起こしてはいけなかったと思うんです。
ただ、5点を取られた後は、今度は則本投手の目が覚めたのかなという印象で、松田選手はまだ少々寝起きのぼんやりという印象も……。
余談なんですが、ヤフオクドームの則本投手と言えば……。
イーグルスが大型連敗を喫した時の10連敗目のサヨナラ敗けを思い出します。覚えている方も多いのではないでしょうか。
確かその日はファイターズがナイターだったので、連敗が停まるかも気になるしリアルタイムで試合を観ていたわたしです。
昨日と同じく和田投手と則本投手の投げ合いで、素晴らしい投手戦、0-0のまま試合は9回裏へ、直前の打者を敬遠されたデスパイネ選手がサヨナラ打を放ち、則本投手は立ち上がれず……ベンチで涙されていた試合ですね。サヨナラのホームを踏んだ今宮選手が、腕を振り上げかけたところで則本投手を見遣り、そっとガッツポーズしかけた腕を下げ、控えめに手を叩きながらデスパイネ選手の方へ近寄っていった姿が印象的でした。9回を力投した則本投手への敬意が感じられた、今季で一番美しいシーンだったと思います。
直前の打者を敬遠されたデスパイネ選手の意地も、ベンチに戻っていく則本投手を真っ先に出迎える梨田監督の姿も、声をかけに行くコーチ、福山投手、松井投手、カメラから則本投手を遮るように座っているアマダー選手……とても強く心を打たれました。
本当にただの余談なんですが。(だってとっても感動したんですもの)
ライオンズとのファーストステージで「まずそこを突破するために」選ばれたイーグルスの、所謂「三本柱」則本投手、岸投手、美馬投手。……ではない、辛島投手、塩見投手の先発で勝てたことがイーグルスにとって非常に大きかったのは言わずもがなです。
と、すればあとは「三本柱」が「二勝一敗か一勝二敗か」だと思うんですよね。ホークスの先発はみなさま、好不調の波があったとしても、少なくとも実績をお持ちで、出たとこ勝負みたいな状態にはなりますまい。
「三本柱」が二勝一敗なら、イーグルスの勝ちですよね。
ただ、わたしは一勝二敗も十分にありえると思います。理由はみなさま中5日であること、それも、敗けられない試合で好投された翌週です。精神的な疲労も積もり積もっているでしょう。ライオンズ戦のような好投を当たり前のように期待するのは、違うのかなと。
もう一点、イーグルスは中継ぎの疲労が気になります。
高梨雄平投手、宋投手はお若いですし、CSの間は梨田監督の計算通りに活躍してくれそうです。
福山投手は昨日、決勝打を打たれてしまいましたが……責められない、ですよね。打った方の中村選手は二戦目で手痛いバントミスがあったのを取り戻したかったでしょうし。ちなみにわたしと母と小学生の姪っ子による、我が家のCS1stのMVP決定会議では、満場(3人)一致で福山投手がMVPでした。
回跨ぎの疲労ですよね。ピンチで出て行って、そのピンチを凄い集中力で抑えて、ベンチで一息をついて、再びギアを入れなおして次の回に出て行くことの難しさ。よく岩本さんが仰ってます。そんな難しい回跨ぎを、福山投手はずっとこなされてきて、しかも抑えてきた、というか味方に流れを呼び込むような快投を続けられてきたわけで……。
たぶんですが昨日は、梨田監督の中で「抑えてくれるならそれでも良し、もし打たれたらそれも致し方なし」みたいな計算があったのではないかと思います。岸投手、美馬投手で勝ち切るという算段でしょう。
あの、情報収集不足だったら申し訳ないんですが、もしも六戦目、月曜日にまでもつれこんだら、イーグルスは誰が先発をされるので……?
もしかして藤平投手ですか?だったらとても、とてもドキドキします。全力で応援します。投げっぷりの良いルーキーなんて応援せずにはいられない……。
ちなみにわたしがうっかりアイドル的崇拝を抑えられない松井裕樹投手が、レギュラーシーズンでまったく打たれていなかったHRをCSで二本も打たれたことには驚きました。打たれたのは両方ストレートでしたから、まだ球が走ってないんですかね。チェンジアップは相変わらず魔球ですが、スライダーも少し危ういような気が。打たれた二本ともがサヨナラにならなかったうちに、CSfinal二戦目のような好投が見られて良かったです。松井投手が出て来た時ばかりは正座で祈っています。笑。
安定感で言ったらやっぱりホークスですよね。
まだしっかり試合を作れそうな先発が、武田投手、摂津投手、中田投手……(登録の関係で出られないとかありますかしら)
昨日の試合のように、調子の上がらない選手に時間をあげても、レギュラーと何ら遜色のない選手が次から次へと出てきて活躍してくれるのがホークスの一番の強さですよね。ただ、打線の完全沈黙だけは避けねばなりますまい。
松田選手の状態が上がって行くかどうかはご本人次第ですが、そう簡単に当たり始める期待だけをするのも難しいような。去年のCSでは大当たりだったんですけどね。わたし、去年のCSfinalの松田選手のホームラン、全部現地で観てました。「あつおー(棒読み)」ってしてましたよ。
そうなれば、誰か別の方が打線の目覚ましにならなくては、ですね。個人的には「城所目覚まし中」に期待したいところです。
選手の疲労を考慮してもやはりホークス優位は揺るがないかなと思いますが、ゾロ目の丁が出るようなことがあればイーグルスの勝ちだって十分にあり得るかと。
どちらにせよ、この時期の楽しみはもうドラフトとCSくらいですから、両チームとも悔いのない試合をされてください。どちらが勝っても日本シリーズはパ・リーグを応援します。
というわけで好き勝手書き連ねましたが、
ホークスファンのみなさま、イーグルスファンのみなさまがご不快な思いをされていないことを祈ります……!
どっちも大好きです!!
梨田監督はファイターズの監督であったこともあるのに、その頃は采配の妙なんて考えたこともありませんでした。笑
ちょっとは成長したかな……?